11日に放送されたテレビ東京「愛と怒りの1億3千万人大捜査 今、捜したい20人!!」を視聴した。


内容としては、詐欺に関するものが大半で、他に強盗、わいせつ、記憶喪失、行方不明といった感じで、
殺人事件は六本木クラブ襲撃殺人と京都精華大生殺人の2件。

取り分け自分が注目したのが青森の岩手の会社員、遠田高大さんの失踪事件。
不可解な点が多いので取り上げてみたいと思う。 

[概要]

・平成25年3月7日、当時住んでいた東京都大田区から出張の為岩手県盛岡市に来ていた。
・仕事を終え最終の新幹線に乗るため新幹線改札口まで行くが、改札機に止められてしまう。
・その後、トイレに行き30分後、なぜか新幹線には乗らずタクシー乗り場方面へ歩いて行ったのを最後に行方不明
・出張の為多くの荷物を持っていた 
・後に北上川沿いで持っていたビジネスバッグが見つかり、現金や身分証明書等が入ったままであった。
・警察の協力で北上川沿いを捜索するも、手掛 かりになるものは何も見つからなかった
・4ヶ月後の7月には、盛岡駅付近のビルの屋根上に捨てられていた携帯電話が見付かっている。
・しかし、仕事上で使用するバッグは未だに見付かっていない。当時は仕事の為スーツ姿であった。

注視すべきは改札で止められた後、トイレに行っているという点。
新幹線に乗る意思があるのであれば、駅員に聞くか再び切符を通そうとするのが自然ではないか。
つまり、高大さんは東京に戻る意思がなかったということになる。

いや、厳密にいえば、恐らく、改札に止められるまでは少なからず帰る意思はあったのだと思う。
しかし、本心では帰りたくなかった。そこで、改札に止められたことにより、彼の中でリミッターが外れてしまったということは考えられないだろうか。

つまり、彼は仕事を辞めたがっており、改札で止められたことで、その背中を押された・・・ということである。

東京に帰るとまた仕事に行かなければならなくなるが、新幹線に乗り過ごしてしまいさえすれば仕事に行かなくて済む。

トイレに行った理由としては、本当に用を足しに行ったというのも勿論あるが、それとは別に
現実から「逃避」するためだと思う。

駅構内で新幹線をわざと乗り過ごす場合、その状況と向かい合わなければならない。
彼はそこに罪悪感を覚えたのではないか。つまり、「トイレに行ったせいで乗り過ごした」という
虚構の合理性を持たせることによって、己の中の罪悪感を少しでも薄めようとしたのではないか…。

また、トイレの個室というのは一人であれこれ考えるのに適している場所だ。今後のことを考えていたのだろう。
30分という長時間トイレに籠っている。

そして決意したかのように、一直線にタクシー乗り場へ向かっている。

医療系エンジニアという職業上、日々プレッシャーを感じていたであろう。
しかし入ったばかりの会社を辞めるわけにもいかず、彼の性格上、誰にも相談できない状態にいた。
その鬱屈とした気持ちが改札機のストッパーを引き金に爆発した…というのが自分の見立てである。

ただ、ここまでは自発的な失踪ということで説明がつくが、現金が捨てられていたという点は疑問符が付く。

身分証を捨てたのは丸っきり他人に生まれ変わろうと、携帯を屋根に捨てたのは外部と連絡を絶つという決意の表れ
ととることもできるが、果たして現金まで捨てる必要はあるのだろうか。
たった一人で生きていかなくてはならないこの状況下で、現金は最重要である。手放すのは無謀でしかない。

考えられるのは何らかの事件に巻き込まれたか自殺を決意したかのどちらかだろうか。

遠田高大さんの情報は下記まで。