高田組という極道の元組長が書いた本である。
おおざっぱに説明すると、子分(組長代行である遠藤)を愛犬家連続殺人の関根に殺害されたと踏んだ高田組の元組長の回想記である。関根に復讐すべく虎視眈々と機会を狙う・・・も、関根の周囲にはマスコミや警察が既にマークしており、中々手を出せず、あれこれ奔走する・・・といった話。
一言一言のセリフまでもが鮮明に描かれていて、その場にいない筈の場面のやり取りまで書かれ
ていることから、大かたは当事者に見聞きしたことや、組長の想像で書かれたであろう部分が
占める部分も多いが、それでも、十二分に関根の外道っぷりは伝わってくるし、何と言っても、
元極道の方が書いたとは思えないような親近感が文体から滲み出て、ヤクザという者に対する偏
見が少し改められる作品。というか、この元親分、なんでもチャクラが覚醒しているらしく、中々ぶっ飛んでいる。章の初めに度々登場する瞑想姿の組長の写真がなんとも愛らしく、格好いい。
また、唯一刑が軽く済んだ共犯の山崎が実はクズ野郎だということが分かる。彼は以前にも紹介した
愛犬家連続殺人」なる自著を発表しているが、高田組長の言うことが本当なのであれば、これがいかに自己弁護で塗り固められたものかというものなのかが分かるであろう。山崎も死刑に値する人間なのである。なんといっても、事件よりも、この組長自体のキャラクターに魅力を感ることのできる1冊。