一度は肉眼で確認しておかなければならないだろうなと思い立ったが吉日、世田谷一家殺人事件が起きた宮沢みきおさん宅近くの祖師谷公園に行ってきた。

車で向かったのだが、祖師谷公園近くの川が流れている橋の上あたりで、ナビが「目的地周辺です」というが、それらしき建物は見当たらない。仕方なく付近のパーキングに駐車し、スマホのマップアプリを頼りに向かう。

住宅などが犇めく通りの向かいに、木々の生えた場所が姿を現し、辺りには中学生と思しき子供たちや犬を散歩している女性などが見受けられた。少し歩くと川が流れており、橋が架かってる。これが先ほど車内からみた川、「仙川」であった。この橋を渡るとベンチやトイレのある場所に出た。

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車道側からの画像。中央に見えるのがベンチ、向かって右側にある建物がトイレ。

マップに記された方へ行くには一度車道に出るか公園内を進むかになりそうで、なんとなく公園内から向かうことにした。ベンチのすぐ裏は小さな土手(というよりは斜面)になっており、そこを降りると川沿いになる。左手は川で右手は木々が生い茂っている細い道。足元は砂利なども多い。

ザクザクしばらく歩いていくと右手に急にブルーシート(というより網)に覆われた家が現れた。事件現場である宮澤みきおさん宅である。いきなり現れたものだからびっくりした。ただ、ブルーシートに覆われていなかったら見過ごしていたかもしれない。するとすぐにまた先ほどのような斜面があり、登ると遊具などがある公園であった。右手にはフェンス越しに家が何とも言えない佇まいで存在している。「事件のあった家」という先入観だろうが、私には魔城が放つようなドス黒い淀みをその家から感じた。ただ、思ったより朽ちている感じはなく、今でも人が住んでいそうな側面も併せ持っていた。

侵入あるいは逃亡したとされる風呂場の窓を見ると段々と実感が湧いてきた。何度もTVや写真で見た景色である。そして真後ろには遊具。こういう造りになっていたのか。家との距離、家の大きさ、窓の大きさ、フェンスの高さ・・・など一気に情報が入ってきて、なるほど・・・と私は思わず唸ってしまった。これは一度現場に来てみなければ分からない感覚である。いくら映像や写真で見ても実際現場に来てみると、自分の脳内で描いたいた現場とかなり相違がある。
百聞は一見に如かずというが、百見は一行に如かず、だ。

辺りにはその家がどういうものか理解していないであろう、児童が楽しそうに遊んでいる。親子連れも何組かいる。フェンスで仕切られているものの、殺人のあった家のすぐ隣で子供たちがほのぼのと遊んでいる景色は、私にはかなり異様に映った。周辺住民はもう慣れているというか、気にもかけていないのだろうか。あの家がまるで存在しないものかのようにごく普通に生活している、そんな印象を受けた。

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航空写真。被害者宅付近などは車道で区画は整理されているが、青い線でざっくりと
囲んだ範囲すべてが公園と言ってしまっても差し支えない。
パークヒルズ?とは少し違うか。

こちらは当時の航空写真。被害者宅周りの家が現在はない。公園拡張のため立ち退き区域に該当し、事件当時は被害者方を含め、4軒しか建っていなかったという。

公園入口からスケート広場までを撮ってみたので載せておく。

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入り口にあるプレート

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入るとすぐ左手に案内図。そして中央付近に見える青いもの、これが宮澤さん宅である。
入り口からすでに見えることが窺い知れる。

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案内看板。

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アップ。こどものあそび場と書いてあるエリアの右の茶色くなってる部分の更に右辺りに
宮澤さん宅は位置する。

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入り口付近の風景。

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少し歩くとすぐに宮澤さん宅が見える。

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接近。フェンスの高さは自分の身長から推測して、178cmから183cmといったところ。

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独特な雰囲気がある。平成12年12月30日、犯人もこの場所から被害者宅を眺めていたのだろうか。

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遊具。

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通りを挟んだスケートパーク。4,5人の男性がスケボーに興じていた。
かなりの声やスケートボードが地面に着地する音が響いていた。
ここからも家が見える。

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セクションもあり、しっかりとしたスケートパークだ。

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車道に出て家を真横から臨む。家の横に設置されたボックス状の建物に警察が常駐しており、
職務質問必至なのでこれ以上は進まなかった。

犯人が玄関から逃亡したのなら、この道を手前に進んだのだろうか。向こう側は仙川になる。


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宮澤さん宅に面する通りから一本南側の通りに移動してからの画像。草木が生えている場所は元々家があったと思われる。
カップルと思しき男女がここから宮澤さん宅を撮影していた。



ここで一旦、スケートパークを背にした入り口から宮澤さん宅~斜面を降り仙川沿いを歩く動画を撮ってみることにした。というのも、なんとなく犯人はこの川沿いの細い道を決行時、あるいは逃走時に使用したのではないか?と思ったからである。


要するに裏道のような感じで、窓のある位置から左に行き斜面を降りるとすぐ、5秒ほどでたどり着き、(当時はどうだったか知らないが)かなり目立たずに宮澤さん宅から離れることができる。しかし、自分自身も1名遭遇したが、前方から誰か歩いてきたら一巻の終わりではある。ただ、年末の夜中にここを誰かが歩いているとも思えない。(それは車道もそうではあるが)素早く右方向に駆け抜ければ公園を抜けることができ、左方向へ行けばかなりの距離を一気に離れられる。自転車も通れる幅だ。そして、橋を渡り「ふれあいの森」辺りに行けば木々もたくさんあり、人目には着きにくい。朝逃亡するにしても、宮澤さん宅玄関から出て車道などを逃走するよりかは人目に付きにくいだろう。ただ、当時ここがどんな様子だったのか?はわからないが。この道を北側に進むとすぐ車道に出る。

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真横には車道。近くにバス停もある。

この場所から対面の川沿いに行くことにしてみた。地蔵が置いてあったとみられる道である。

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川沿い入り口。犬の散歩によさそうだ。

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動画で私が歩いていたところから川を挟んだ対面。

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地蔵が置いてあったのはここだろうか?当時はベンチがあったという。
その名残かこのように草木の植えられていない窪みがあるが、等間隔にあるので地蔵がどこが置かれていたのかは定かではない。


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上の画像の真後ろ。エノキが植えられている。

このまま真っすぐ進み、橋を渡り、かなりの傾斜を登り、見晴らし広場あたりを横断して公園を出た。



やはり私には、家と川に挟まれた形の「細道」が気になった。

所謂、公園内部の各施設に通じる近道だとは思うのだが、もし夜中、犯人が風呂窓から逃走したとして、この道の存在を知っていたら、バス停のある車道へ出るより、人間の心理としてはこの細道を疾走、公園南側へ向かいたくなるのではないだろうか。少し進めば土手を登って公園内に溶け込むこともできる。ただ、朝方逃亡だとすると、川の対面にもし人がいた場合、逆に目立つ可能性もある。


いずれにせよ、逃げた方角がわかったところで、さしたる意味はないと思う。

それ以前にどこから侵入してどこから逃げたのかもわからないのだ。




感想としては、家周辺は長閑(しかしスケートパークだけは少しうるさい)でいて、それでいて辺りに運動広場やテニスコートがあり、活力を感じさせるエリアだと思った。

とても殺人が行われるような場所とは思えず、そのことが逆に宮澤さん宅から感じられる異彩の原因であろう。また、立地的に見ると辺りにコンビニなどの商店がないので不便だなとは感じた。(当時は不明)公園から東側に位置する成城通りパークウエスト付近にスリーエフがあったが、それ以外は住宅街という感じでコンビニは見つけられなかった。日曜の日中に行ってきたのだが、住宅街は驚くほど人通りが少ない。風呂窓侵入派や逃亡派の方は、是非一度足を運んでみてはいかがだろうか。